イタリア

 

イタリア人って嘘つきなんたぜぇ

例えば道路Yの字 下から来たとします
二股 どっちだろうなぁ って道聞きます
真顔で 下を指さします
            
小学校 読んだ本 『ポンペイ最後の日』
それから十数年 行きたくて 行きたくて
やっとナポリ迄着いた

そこから電車で二時間
駅ホーム やたら混んでる
「これ ポンペイ行くの」
「イキマヘンデェ」 真顔でみんな
電車走る  最後尾ステッカー
《POMPEI》

それから鉄道 三時間の時限ストライキ
ナポリの小さな食堂 スパゲッティ三皿続けて食べました
みな驚く

その後ポンペイ着四時、 五時に遺跡出される
『十数年対一時間』の巻き

アリベデルチ ポンペイ
チヴェディアモ ポンペイ。

      
イタリア料理の真髄

ギリシァに向かう為 イタリア横断前のナポリ駅
腹ごしらえに食堂のカウンター
シェフに 「スパゲッティください」

シェフ  「マカロニ」
私    「スパゲッティ」
シェフ  「マカロニ」
私    「すぱ げ っ て」
シェフ  「まっかろに」
私    「いいよそれで」
シェフ  「にこっ」

ボウルからお椀にレードルで ボコッ

でも すんげえうめえ。

 

暗闇の横断

西岸のナポリより東岸のブリンディッシ迄の夜行列車
独りのコンパートメント(六人掛けの個室)
誰か来ないかな

ガラッ イタ公あんちゃん
俺は警官だ この辺はマフィアが多いから気を付けろ 
俺が最初にピストルを持ったのは9才の時だ」
            
彼 午前二時降車
また独りになる

ガラッ
スキンヘッド の大柄な男が
なんと耳が無く
眉毛の無い大きな目でこちらを見る

やべぇーかな と思いつつ
禁煙のコンパートメントだったが
「May I smoke」と言ってみる
            
彼 ”どうぞ,, と素振りする
「ホッ」

午前7時 終点ブリンディッシ着

列車の通路に出ると
            
他の乗客は皆 驚愕の表情で彼を見ていた
            
            
でも 私と彼とは 友達です。