アムステルダム

 

白い窓

 【グリム童話】『ヘンゼルとグレーテル』に出て来る
 《お菓子の家》の格子窓が
 運河沿いにメルヘンを奏でる
 チューリップと 小さいクロンプ(木靴)のお土産がよく似合う
 お八つはやっぱり チョコレートかな。

 

飾り窓

 夜の人影少ない運河沿い
 仄かな燈の窓が あちらこちらに
 ラセット(あずき)色のカーテンは開けられ
 薄紫のサテン地を素肌に着飾った
 娼婦がこちらに 手招きをする。

 

生活の窓

 運河を下る
 海近くに向かって歩く
 夕方になってしまった
 大きな橋がある ゆるやかな坂を登ってゆく
 埋め立てられた平坦な島が見えて来る
 団地が三棟見えて来る
 もう少し 進む
 広場で遊ぶ子供達 何人かが裸足
 団地の窓には洗濯物
 夕日が沈もうとする橋の上
 思わず唄った歌は
 『下町の太陽』

 ♪下町の空に輝く太陽は 喜びと悲しみ 映す

 

ガラス窓。