ヒマラヤ

 

 古代サンスクリット語 Hima=雪 Alaya=住居
 カトマンドゥから西へバスで半日 ポカラという町に着く
 その端で終点 そこから小一時間歩くと ペワ湖の畔
 都会の喧騒から離れ 牧歌的
 9月下旬
 ネパールは未だ 雨季だった

 外国人向けに創られた 演出の感あるロッジが並ぶ
 日本人も数人いて 旅談義に暮れる

 何日目かの朝だった
 「おい 山が見える 起きろ」
 と 昨日迄の雲が取り払われ
 同じ位の高さに 山が聳え立つ
 マチャプチャレ 6993m
 真っ白だった

 マチャ=魚 プチャレ=尻尾 の意を持つこの山は
 大 きな三角形で 頂が小さく二つに分かれる
 急勾配でイギリス隊がアタックしたが 直下45mで断念
 未踏峰との事。

 気の合う男と二人 トレッキングに出発する
 早朝 河原をジープで山の下迄 そこから一気に登りだす
 全行程十日間 登る時間を計算したかの様に山小屋がある
 二日目 気温が下がったのと 軽い高山病のせいか とても疲れている
 初日 遠くに見えたダウラギリ(8167m)が少し近くなった

 山の沢を
 横切ったり つるつる急勾配の岩肌を登ったり
 少しの難所はあるが総じて一本道

 山小屋に毛布など用意されているので
 寝袋は一回も使わない
 それと リコーダー 一本         
 夜 「家路」「モルダウ」などを吹く
 とある山小屋の主人 子供の為に売って欲しいとの事

 無事 帰って来たらと 約束する

 目的地を目の前にして 最後の山小屋
 早朝 残り100m位を一気に登る
 急に視界が開ける
 目の前にあったのは
 長く   高く   大きな   ヒマラヤの連峰

 神々しく 白かった
 でも 今ここを転下落ちれば
 その勢いで頂上まで到達するような 身近
 その時 急に大粒の雹が降って来た

 目的地とは
 プーンヒル(3198m)
 目の前の山は アンナプルナ マナスル ヒマールチュリ ガネッシュヒマール
 みな 7〜8000mを越える

 あのロンドンで買ったリコーダー 今もあの山小屋にあるのかな。


 ここでネパール民謡を一つ

 ヨケーティカハコー ウーダイプーレイコー
 フリュコォデュンガァー ティベラァア ディーナイアティコー
 フリュフーリュウナティパア
 コピラチャダイ ヨフーラフレパチ
 デュンラーティーミーライ
 デュンラーティーミーライ

(大意)
 僕の好きなあの娘が ウダイプル〔インド〕へ行っちゃう
 こんどいつか ここに戻って来る時には
 この村を 花で一杯にしておくよ 

 この曲 よくリコーダーで吹きました。