ちょっと臭い話

 

 イタリアのブリンディッシよりギリシァのパトラスへ向けて 夜 出航する
 二等の船室 エンジン熱で床 温かい
 前の席の女の子二人
 顔を見合わせ ちらっと俺を振り返り すくっと席を立つ
 そういえば ひと月程 風呂も入らず靴下も取り替えてなかったな

 翌朝 船上から見るアドリア海は紺碧
 私の靴の中とは違い 爽やかな青空だった
 白い山のギリシャが見えて来る。

 オリンピアへ向け 二両編成の鈍行
 ゆっくりゆっくり  ポカポカ  ホァンホァン とヤギを退けながら走る

 この車両には前の方の爺っちゃんと俺だけ

 おもむろに靴下を脱ぎ 足を陽にかざす
 と 爺っちゃん俺を睨み付け 後ろの車両に

 その2、3分後でした
 車掌が鼻をつまみ
 「お前か 窓を開けろ」と言ってる様子

 そそくさと 靴下はきました。

オリンピアで名誉挽回

 古代オリンピック発祥の地
 遺跡に入る
 緊張しながら
 誰も居ない
 一周300m位の細長いトラック
 その直線コース よーいドン

 「いっちばーん」。