昔の栄華を

 

 書き留めるかの様な
 裸の白い山達

 昼過ぎオリンピアを発った列車は
 アテネに向かう

 夕暮れから宵闇 そして暗闇へ
 Thomas CookのTime tableでは もうそろそろの筈

 アテネは未だか メロスは未だか
 窓の外はトンネルか 黒い山の端か

 次の一瞬 白くライトアップされた
 パルテノン神殿が浮かび上がる
 パンタグラフよ あれがアテネの灯だ

 ここ迄くれば 旅のHow to
 を知っている筈   でも違った
 最上の生活は 現地の人の中に入る事

 そして 現地の人々の娯楽
 アテネの街のそこかしこに旅芸人の芝居小屋が在る

 ギリシャ語

 ネ  はい
 オーヒ  いいえ
 エフハリスト  ありがとう

 最後のシーン  クライマックス
 観客はプロポーズされたヒロインに要求する

 「ネ ネ ネ」

 サタプーメ エラーダ (またね  ギリシャ)。